渥美ゆうきの秘密の箱庭

霊体と肉体の視点から日常を徒然

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近藤芳美賞『空のたまゆら』に寄せて

先日、NHK全国短歌大会が開催されました。色んな人に知ってもらいたいと思う素晴らしい作品があったので、勝手ながら当ブログで紹介させていただきたいと思います。

 

岡山在住の平尾三枝子さんの作品で、この度、近藤芳美賞を受賞されました。

心に深い余韻を残す作品です。

 

『空のたまゆら


何ごともなかつたやうに木々は萌え原発つぎつぎ再稼動する

七年を経ても廃炉の目途たたず八百八十トンのデブリのゆくへ

大暑近き知覧特攻観音堂かたはらに添ふ褪せしあぢさゐ

 

永遠に若きままなる特攻兵

千三十七名の生の眩しき

一国を率ゐる人よ願はくば戦ひの野の前線に立て

「ひもじい」が死語となりゆく炎天の七十三年目の夏蟬時雨

黙禱と『ヒロシマ・ノート』の再読を捧げて炎暑の八月を終ふ

 

おほどかな「なんくるないさ」の民にして「みるく世がやゆら」と問ふは悲しき

ウチナーンチュのために削りし命なり翁長氏に捧ぐ無数の黙禱

ガンジーのごとき痩せたる奄美人の六十五年を眩しみて見つ

ホノホシの波に洗はれ玉石は基地なき平和の徴となれり

 

暗黙のヒエラルキーの満ち満ちてこの世は狭く狭くなりゆく

シャガールと魁夷の馬が天駆ける国境のなき空のたまゆら

不条理も条理も丸ごとこの世なり土手に赤白曼珠沙華の群

幾重にもかさなる雲の間より射し入る光を希望と呼ばむ

(引用 第20回NHK全国短歌大会受賞作品)

 

作者の平尾三枝子さんの言葉に、

『あれから七十三年、先人の方々が苦労を重ねて築いてこられた平和に翳りが見えはじめたように思える昨今、何かせずにはいられない気持ちで詠んだ歌にこのような名誉ある賞をいただけましたこと、驚きとともに厳粛な気持ちで受けとめております。』

とありました。

 

深く共感するばかりでした。

戦争を忘れずに過ごさなければならないと常に感じています。

たくさんの先祖の方々が、どんな思いで生きてきたのか、多くの命が犠牲になった末の平和です。

この日本や世界中で人類が生まれたときから、争いとともに進化しています。

少しずつ、身分についての疑問や、子供の人権など、人の精神面の成長がされてきました。

 

戦争はしない方が良いのですが、どうしても乗り越えなければ学ぶことができなかった側面もあると思います。

 

戦争に対して肯定的なのではなく、起こったことには意味があるので受け入れざる得ないと考えています。

 

過去の日本人や世界の人がしてきたことも、全て自分に繋がっており、自分の事でもあると思います。

 

戦争反対という考えの方の中に、過去の戦争をした日本人を悪だと考える人がいることに疑問があります。

確かに戦争はよくありません。

 

その時代に家族のため国のため、未来に生きる私達のことを思い死んでいった方達の存在を思うと辛いです。

 

戦争をしてしまった過去を受け止め、過去の自分の先祖がしてしまったことも受け止め、次の時代を考えるべきです。

 

必死に生きた先祖の方々に対して、それではあんまりだと思います。

自分が今あるのは自分と血が繋がる一族を含め、日本、そして世界中の人、全てが相互に影響しあって自分という人間がいます。

 

私達が過去の出来事も自分の問題だと受け入れ、今後の選択をしていかなければなりません

 

それが充分でないと、霊的成長のための選択肢をスイスチーズモデルのように間違え続け、バタフライ効果のように小さい問題がやがて戦争などの大きな問題で障害は用意されます。

 

 

(スイスチーズモデルとは、英国の心理学者ジェームズ・リーズンが提唱した事故モデルです。 ハインリッヒの法則と同じく安全管理において頻繁に引用されているモデルです。)

 

事故は単独で発生するのではなく複数の事象が連鎖して発生するとしたものです。

その概念を図にしたものが以下の図になります。

 


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その時々に与えられた霊的成長のため課題は最初は小さな形で現れます。

人によっては気づかないレベルです。

 

まぁいいかと無視できるかもしれませんが、それを続けると、やがて課題が少しずつ大きな障害となって返ってきます

バタフライ効果と同じです。


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(バタフライ効果とは、力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象のことです。)


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やがて大きな問題となって現れるので、最初の時点で受け止めた方が良いです

スイスチーズの穴を塞ぐ感じです。

 


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全ての人は霊的な成長のため、この世で生きています。

 

一人一人が霊であり、全てはひとつの大霊に集約されます。

 

一人一人のレベルにあった成長のための課題が用意されますが、戦争もその一つです。

過去のことだから関係ないと考えていると、発生します。

 

市原悦子さんが主演された戦争のドラマがあります。

詳しく説明したいのですが、検索しても出てこず…。

 

戦時中の一人の女性のお話です。

激しい空襲シーンなどは無いのですが、身近な男の人が戦争に召集され、静かにひとり、またひとりと身近な人がいなくなります。

夫、弟、息子…という感じです。

 

一人の人間が簡単に目の前から消え、骨も返ってこない。

最後、息子だけ骨壺で骨を渡され、主人公は山の奥の滝に散骨しようとします。

そこで骨壺を開けてみたら中身は空。

戦争とは何か、嘆いて終わりです。

 

私は平尾三枝子さんの『空のたまゆら』を耳にした時に、すぐにこのドラマ(映画)を思い出しました。

 

戦争ってこういうものです。

自分にとって大切な一人の人間でも、端から見ればいなくなっても何も変わらないのかもしれない。

その後も時間は流れていく。

 

私は広島生まれですので、平和学習は身近でした。他県からしたら広島の平和学習に用いる時間は長すぎると問題になるらしいですが、わたしは良いと思います。

 

12歳頃に、人は自分本来の霊体の特徴が表に出てきます。この世で生きにくい人は、その頃はハッキリとそれまで以上に大きな壁を感じはじめます。

 

そのため、それ以前の年齢はしっかりと学ぶ期間でもあり、道徳や平和学習をすることは重要です。

 

 

戦争は本当に一人一人に身近な問題です。

本来、霊的な側面では愛が全てであるべきです。

奪うだけの戦争は悪と見なされますが、誰かを守るための戦争は愛と見なされます。

 

今一度、戦争について考えてみてほしいです。